一般財団法人 高知県環境検査センター





私たちは、毎日の生活の中で、たくさんの水を使用します。
その水の多くは汚水となり、川や海へと流れて行きます。
このまま、家庭排水や工場排水が汚水処理されない状態で放流されると、水質汚濁がすすみ、川や海の美しく豊かな自然は破壊されてしまいます。
そこで、大切な美しく豊かな自然を守るため、汚水を処理し、きれいな水を取り戻すことにより、快適な生活環境で暮らしていける。そういう役目を担うのが浄化槽なのです。




浄化槽は、下水道を使わずに家庭などからの汚水をきれいして放流するためのものです。
台所、風呂、洗面、洗濯排水などのすべての汚水を処理するものを『浄化槽(合併処理浄化槽)』といい、水洗トイレからの汚水のみを処理するものを『みなし浄化槽(単独処理浄化槽)』といいます。平成13年4月より、みなし浄化槽の新たな設置は禁止されました。

●浄化槽(合併処理) ・・・・ し尿と生活排水を併せて処理する浄化槽
●みなし浄化槽(単独処理) ・・・・ し尿(水洗便所汚水)だけを処理する浄化槽






※数値は一人が一日に出す水質汚濁物質の量をBODで表したものです。






排 水 源 汚水量
〔L/人・日〕
B O D
負荷量
〔g/人・日〕
濃 度
〔mg/L〕
便 水 便 所 50 13 260
生 活
雑排水
台  所
洗  濯
風  呂
洗  面
掃除雑用
30
40
50
20
10
18
600

200 40 200




生活排水の一人一日あたりのBODは40gです。浄化槽(合併処理)のBOD除却率は90%以上なので、処理水のBODは10分の1の4g以下に減ります。
これに対して、みなし浄化槽(単独処理)の性能はBOD除却率65%以上で水洗便所汚水のBOD13gが5gに減るだけです。生活雑排水は処理されないので生活排水のBODの約80%が未処理のまま放流されることになります。




「BOD」とは、水質汚濁の指標です。
BODBiochemical Oxygen Demand,生物化学的酸素要求量
水中の有機物(汚濁物質)が微生物の働きで分解されるときに消費される酸素の量で、汚れていると数値は大きくなり、きれいな水ほど、BODの値は小さくなります。




浄化槽の大きさは、人槽で表し、50人槽以下が小型、51-500人槽が中型、501人槽以上が大型と呼ばれています。

(1)みなし浄化槽 (し尿[水洗便所汚水]だけを処理する浄化槽)

代表的な処理方式

分離接触ばっ気方式

その他の処理方式
・散水ろ床方式 ・平面酸化床方式
・全ばっ気方式 ・分離ばっ気方式



現在、多くの一般家庭に設置されている浄化槽がこのタイプになります。
ただ、台所やお風呂等への生活雑排水は未処理のまま排水されるので、水質汚濁原因の改善には十分対応できていないということもあり、平成12年12月から設置できなくなりました。



(2)小型合併処理浄化槽 (し尿と生活雑排水を併せて処理する浄化槽)50人槽以下

代表的な処理方式

嫌気ろ床接触ばっ気方式

その他の処理方式
・分離接触ばっ気方式 ・脱窒ろ床接触ばっ気方式
・嫌気ろ床生物ろ過方式 ・担体流動生物ろ過方式
・膜分離活性汚泥方式 ・その他



生活雑排水の汚れを10分の1以下に処理する能力があり、河川等にあたえる影響は小さく済みます。
最近の浄化槽の技術の向上により、処理方式、処理性能の多様化が進んでいて、現在、「コンパクト型」や「高度処理型」の浄化槽が実用化され、使用目的に合致した選択がよりできるようになっています。
設置の際には、補助金制度がありますので最寄りの市町村役場担当課までご相談下さい。



(3)合併処理浄化槽 (し尿と生活雑排水を併せて処理する浄化槽)51人槽以上

主に、工場、ビル、学校関係に設置され、比較的大規模な施設で使用されています。
処理方式

 ・長時間ばっ気方式
 ・標準活性汚泥方式
 ・接触ばっ気方式
 ・回転板接触ばっ気方式
 ・その他
生活雑排水の汚れを10分の1以下に処理する能力があり、河川等にあたえる影響は小さく済みます。
最近の浄化槽の技術の向上により、処理方式、処理性能の多様化が進んでいて、現在、「コンパクト型」や「高度処理型」の浄化槽が実用化され、使用目的に合致した選択がよりできるようになっています。





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